
建設業許可には、
の2種類があります。
このようなご質問をいただくことがよくあります。
大臣許可と知事許可の違いは工事を行う場所ではなく、営業所の所在地によって決まります。
このページでは、それぞれの違いや申請時のポイントについて分かりやすくご説明いたします。
国土交通大臣許可とは、2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合に必要となる建設業許可です。
例えば、
があり、両方が建設業の営業所として機能する場合には、大臣許可が必要になります。
会社の規模や売上高ではなく、「営業所の所在地」が判断基準です。
都道府県知事許可とは、営業所が1つの都道府県内のみにある場合に必要となる建設業許可です。
例えば、
などが対象になります。
営業所が複数あっても、すべて同じ都道府県内であれば知事許可となります。
| 項目 | 国土交通大臣許可 | 都道府県知事許可 |
|---|---|---|
| 営業所 | 2以上の都道府県 | 1つの都道府県内のみ |
| 許可権者 | 国土交通大臣 | 都道府県知事 |
| 工事を行える地域 | 全国 | 全国 |
| 許可基準 | 基本的に同じ | 基本的に同じ |
| 新規申請の手数料 | 登録免許税15万円 | 許可手数料9万円 |
| 標準処理期間の目安 | 90日程度 | 30~45日程度(都道府県により異なる) |
許可基準そのものに大きな違いはありません。
違いは、営業所が所在する地域と許可権者、そして手数料・審査期間です。大臣許可は複数都道府県にまたがる営業所を確認する必要があるため、審査に時間がかかる傾向があります。
建設業法でいう営業所とは、単に会社の事務所という意味ではありません。
など、建設業の営業活動を行う拠点をいいます。
なお、単なる資材置場や工事現場は、通常、営業所には該当しません。
営業所には、
など、建設業法上の要件を満たす体制が必要になります。
知事許可でも、許可を受けた県外で工事を行うことができます。
東京都知事許可を受けている会社でも、日本全国で建設工事を請け負うことができます。
つまり、工事を行う場所によって大臣許可になるわけではありません。
営業所が東京都だけであれば、東京都知事許可のままで全国の工事を施工することが可能です。
事業拡大などにより、次のように営業所の状況が変わる場合には、「許可換え新規」という手続きが必要になります。
許可換え新規は、実質的に新規申請と同様の扱いとなり、経営業務の管理体制・営業所技術者等・財産的基礎などの許可要件を、新しい許可行政庁に対してあらためて証明する必要があります。
現在の許可をそのまま引き継げるわけではない点に注意が必要です。
また、許可換え新規が認められると、従来の許可は失効します。
申請から新しい許可が下りるまでには一定の期間がかかるため、許可の空白期間が生じないよう、営業所の新設・廃止のタイミングも含めて計画的に準備する必要があります。
建設業許可の要件は、大臣許可・知事許可とも基本的に同じです。
例えば、
などは共通しています。
一方、申請先や提出部数などの実務上の違いがあります。
| 項目 | 大臣許可 | 都道府県知事許可 |
|---|---|---|
| 申請先 | 主たる営業所を管轄する地方整備局等 | 各都道府県の定める申請先 |
| 審査 | 国 | 都道府県 |
| 営業所 | 複数都道府県 | 1都道府県 |
| 許可要件 | 同じ | 同じ |
| 提出書類 | 概ね共通 | 概ね共通 |
実際の提出様式や必要部数は、申請先によって異なる場合があります。
知事許可を受けている会社が県外の1つの現場に出張所を置いた場合、大臣許可が必要になりますか?
契約締結権限を持たない現場事務所や仮設の出張所は、建設業法上の「営業所」には該当しないことが一般的です。
単なる工事現場としての拠点であれば、大臣許可への切替えは不要な場合が多いですが、実態によって判断が分かれるため、個別にご確認ください。
大臣許可の方が知事許可より信用力が高いと聞きました。本当ですか?
許可要件自体は同じであるため、許可の種類によって信用力に直接の優劣があるわけではありません。
ただし、公共工事の入札などでは、営業所の展開状況によって大臣許可を選択するメリットがある場合があります。
他県に営業所を新設したら、いつまでに大臣許可へ切り替える必要がありますか?
営業所を新設して2以上の都道府県に営業所を持つことになった場合、すみやかに許可換え新規の申請準備を進める必要があります。
従来の許可のまま放置すると、許可要件を満たさない状態になってしまうため、営業所新設の計画段階からご相談いただくことをおすすめします。
逆に、他県の営業所を閉鎖して1つの都道府県だけになった場合はどうなりますか?
この場合も、大臣許可から知事許可への許可換え新規が必要になります。
営業所の廃止時期と、新しい知事許可が下りるタイミングにズレが生じないよう、事前にスケジュールを調整することが重要です。
本店を東京都から神奈川県へ移転する予定です。知事許可のままで大丈夫ですか?
移転先の県にのみ営業所がある状態になるのであれば、東京都知事許可から神奈川県知事許可への許可換え新規が必要になります。
この場合も新規申請と同様の審査が行われるため、早めのご相談をおすすめします。
許可換え新規の間、工事を請け負うことはできますか?
新しい許可が下りるまでは、従来の許可の範囲内で営業を続けることになります。
ただし、許可換え新規が認められると従来の許可は失効するため、審査期間中の工事契約のタイミングについても事前に整理しておく必要があります。
「知事許可でよいのか、大臣許可が必要なのか分からない」というご相談は非常に多くあります。
営業所の設置状況や今後の事業展開によって、取得すべき許可の種類は異なります。
当事務所では、お客様の事業内容や営業所の状況を確認し、最適な許可の種類をご案内しております。
お気軽にご相談ください。