
建設業許可を取得するためには、建設工事を適切に施工できるだけの経済的基盤が必要です。
そのため、建設業法では、財産的基礎という要件が設けられています。
このようなご質問をいただくことも少なくありません。
このページでは、建設業許可における財産的基礎について、一般建設業と特定建設業の違いも含めて分かりやすくご説明いたします。
財産的基礎とは、建設業を継続して営むために必要な経済的基盤があることを確認するための許可要件です。
建設工事では、資材の購入や外注費、人件費など、多額の資金が必要となることがあります。
そのため、一定以上の財産的基盤を有していることが求められます。
一般建設業では、次のいずれかに該当すれば財産的基礎の要件を満たします。
貸借対照表の純資産額(自己資本)が500万円以上ある場合です。
金融機関の残高証明書などにより、500万円以上の資金を有していることを証明できる場合です。
残高証明書は、申請時点から一定期間内(発行後1か月以内など)に発行されたものが求められるのが一般的です。
有効期限が過ぎてしまうと再取得が必要になりますので、申請のタイミングに合わせて取得することをおすすめします。
既に建設業許可を受けている事業者については、直前の決算期において、自己資本の額が500万円以上であるか、または欠損の額が資本金額の一定割合を超えていない場合には、財産的基礎の要件を満たしているものとして扱われるのが一般的です。
そのため、新規取得時ほど厳格な証明は求められないことが多いですが、決算内容が大きく悪化している場合は個別の確認が必要になることがあります。
下請契約の規模が一定額以上になる場合は「特定建設業」の許可が必要となり、財産的基礎の要件も一般建設業より厳しくなります。
特定建設業では、次の4つの基準をすべて満たす必要があります。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 欠損の額 | 資本金の額に対して、一定割合を超える欠損が生じていないこと |
| 流動比率 | 流動資産が流動負債に対して一定の割合以上であること |
| 資本金額 | 2,000万円以上であること |
| 自己資本額 | 4,000万円以上であること |
※基準となる具体的な割合・金額は、必ず最新の建設業法・施行規則に基づいてご確認ください。特定建設業は、一般建設業に比べて財産的基礎のハードルが大きく上がる点にご留意ください。
個人事業主の場合、法人のような「自己資本」という概念がそのまま当てはまらないため、期首の資本金額に事業主借・事業主貸などを加減した金額をもとに、純資産に相当する額を算定して判断されるのが一般的です。
この算定が難しい場合や、金額が500万円に満たない場合には、法人と同様に金融機関の残高証明書によって資金調達能力を証明する方法も選択できます。
会社の状況によって異なりますが、主に次のような書類を提出します。
どの資料を使用するかは、会社の状況によって異なります。
財産的基礎の要件は比較的分かりやすいものの、どの資料で証明するかは会社によって異なります。
行政書士へご相談いただくことで、
などのメリットがあります。
設立したばかりの会社でも許可を取得できますか?
可能です。
自己資本が500万円未満でも、残高証明書などにより資金調達能力を証明することになります。
借入金があっても大丈夫ですか?
借入金の有無だけで直ちに要件を満たさないというわけではありません。
会社全体の財務状況を確認する必要があります。
個人口座のお金でも大丈夫ですか?
原則として、会社の財産状況によって判断されます。
詳細は個別の状況によって異なりますので、ご相談ください。
特定建設業を取得したい場合、財産的基礎の基準も変わりますか?
はい、特定建設業では一般建設業よりも厳しい4つの基準(欠損の額、流動比率、資本金額、自己資本額)をすべて満たす必要があります。
残高証明書はいつ発行されたものが必要ですか?
申請時点に近い時期に発行されたものが求められることが一般的です。
有効期限が過ぎてしまうと再取得が必要になりますので、申請のスケジュールに合わせて取得時期を調整することをおすすめします。
複数の預金口座の残高を合算して証明できますか?
複数の金融機関の残高証明書を合算して証明できる場合があります。詳細は個別の状況によりますので、ご相談ください。
直近の決算が赤字でも更新できますか?
赤字の程度によります。欠損の額が一定割合を超えていなければ要件を満たす場合がありますが、大きく悪化している場合は個別の確認が必要です。
建設業許可では、「財産的基礎」の要件を満たしていることを資料により証明する必要があります。
当事務所では、決算書や預金残高などを確認し、お客様に適した証明方法をご提案しております。
といった場合でも、お気軽にご相談ください。