建設業許可|実務経験証明とは?必要年数・証明書類を解説

建設業許可における実務経験証明について分かりやすく解説します。営業所技術者等の実務経験、証明方法、必要書類など詳しくご説明します。

建設業許可|実務経験証明とは?


建設業許可では、営業所技術者等(旧:専任技術者)の要件を満たす方法として、国家資格だけでなく実務経験による方法があります。
しかし、

  • 実務経験とは何をいうの?
  • アルバイト時代の経験でも認められますか?
  • 昔勤めていた会社の経験は使えますか?

といったご相談を多くいただきます。
実務経験による申請では、経験年数だけでなく、その内容を客観的な資料で証明することが重要です。
このページでは、実務経験証明について分かりやすくご説明いたします。


この記事のポイント
  • 実務経験は「工事の施工に関する技術上の経験」に限られ、事務作業のみの経験は認められません。
  • 必要年数は学歴・指定学科の有無によって異なり、指定学科を修めていなくても10年の実務経験があれば要件を満たせます。
  • 証明には工事請負契約書・注文書・請求書・工事台帳など、経験を裏付ける客観的な資料が必要です。
  • アルバイトや退職した会社での経験でも、資料が揃えば証明できる可能性があります。


実務経験証明とは?

実務経験証明とは、建設業に関する一定期間の実務経験があることを証明することです。
営業所技術者等になるためには、資格がない場合でも、建設工事に関する実務経験が認められれば要件を満たせる場合があります。
そのためには、単に「経験があります」と説明するだけでは足りず、客観的な資料により証明する必要があります。


実務経験とは?

建設業法でいう実務経験とは、建設工事の施工に関する技術上の経験をいいます。
例えば、

  • 工事の施工(実際に現場で作業を行った経験)
  • 現場管理・工程管理・品質管理・安全管理
  • 施工計画の作成や見積り・積算業務
  • 技術者の指示のもとで行う技術的な補助業務

などが該当する場合があります。
一方で、経理事務や総務など、施工そのものに関わらない事務作業のみを行っていた場合は、実務経験として認められません。
また、単なる現場での雑務(交通誘導のみなど)についても、技術上の経験とは言えないため対象外となります。


必要となる経験年数

必要な経験年数は、学歴や指定学科の修了有無によって異なります。代表的なパターンは次のとおりです。

  • 建設関係の指定学科を修めて高等学校を卒業した後、5年以上の実務経験がある場合
  • 建設関係の指定学科を修めて大学・高等専門学校を卒業した後、3年以上の実務経験がある場合
  • 学歴や学科を問わず、10年以上の実務経験がある場合
  • 国土交通大臣が、上記と同等以上の知識・技術・技能を有すると認定した場合

特定建設業許可(指定建設業以外)を取得する場合は、上記に加えて、元請として発注者から直接請け負った一定金額以上の工事について、2年以上の指導監督的な実務経験が必要になるなど、追加の要件が課されることがあります。
なお、複数の業種の実務経験を主張する場合、同じ期間を重複してそれぞれの業種の経験年数としてカウントすることはできません。


どのような資料で証明するの?

実務経験は、次のような資料によって証明します。

  • 工事請負契約書
  • 注文書・請書
  • 請求書(入金が確認できる通帳等とあわせて)
  • 工事台帳
  • 実務経験証明書(様式第9号)
  • 当時の在籍を確認できる資料(雇用保険被保険者証、社会保険の資格情報、源泉徴収票など)
  • その他工事内容が確認できる資料(現場写真、施工体系図など)

会社や経験内容によって必要書類は異なり、また申請先の法務局・許可行政庁によっても取扱いが異なる場合があります。


実務経験証明の流れ

手順内容は以下のとおりです。

  1. 実務経験年数を確認する
  2. 工事内容が「技術上の経験」に該当するか確認する
  3. 証明資料を収集する
  4. 実務経験証明書を作成する
  5. 建設業許可申請を行う


行政書士へ依頼するメリット

実務経験証明は、建設業許可の中でも特に資料収集が大変な手続きです。
行政書士へご相談いただくことで、

  • 必要年数を確認できる
  • 証明可能か診断できる
  • 必要資料を整理できる
  • 不足資料がある場合の対応方法を検討できる

などのメリットがあります。


よくある質問 (FAQ)

アルバイトやパート時代の経験でも実務経験として認められますか?

雇用形態そのものは問われないため、アルバイトやパートであっても、実際に建設工事の施工に関する技術上の業務を行っていたのであれば、経験として認められる可能性があります。
ただし、正社員の場合よりも当時の業務内容を示す資料が重要になる傾向があります。

すでに退職した会社や、廃業してしまった会社での経験は証明できますか?

当時の契約書や請求書などの資料が残っていれば証明できることがあります。
資料が少ない場合は、第三者による証明など別の方法を検討することもありますので、まずはご相談ください。

複数の会社での経験を合算して必要年数を満たすことはできますか?

可能です。
ただし、それぞれの期間が重複していないこと、各期間についてそれぞれ証明資料が揃っていることが必要です。

実務経験証明書には誰のサインが必要ですか?

原則として、実務経験を積んだ当時に在籍していた会社(建設業者)の代表者に証明してもらいます。
その会社が廃業している場合や証明に協力してもらえない場合は、本人が資料に基づいて証明する方法など、状況に応じた対応が必要になります。

当時の資料がほとんど残っていません。それでも証明できますか?

資料が少ない場合でも、通帳の入金履歴や在籍を示す資料などを組み合わせることで証明できる場合があります。
どこまで揃えられるかによって対応方法が変わりますので、お手元にある資料を確認させていただいたうえでご案内します。

転職などで実務経験にブランク(空白期間)がある場合、その期間は経験年数に含まれますか?

建設業に従事していなかった期間は経験年数には含まれません。
ブランクをはさんで複数の期間の経験を合算することは可能ですが、それぞれの期間について証明資料が必要です。

実務経験証明の審査にはどのくらい時間がかかりますか?

資料の整った状態で申請できるかどうかによって大きく変わります。
資料収集や証明書の作成に時間を要するケースも多いため、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。

土木一式工事や建築一式工事の実務経験で、専門工事の技術者要件を満たせますか?

一式工事の実務経験がそのまま専門工事の実務経験として認められるかどうかは、工事の具体的な内容によって判断が分かれます。
個別の工事内容を確認する必要がありますので、経歴の詳細をお聞かせください。

指定学科ではない学校を卒業しています。実務経験は何年必要ですか?

指定学科を修めていない場合は、学歴にかかわらず10年以上の実務経験が必要となります。
指定学科に該当するかどうかの判断も含めて確認いたしますので、卒業学部・学科名を教えてください。

実務経験証明の内容に不備があり、審査で追加資料を求められました。よくあることですか?

珍しいことではありません。工事内容の裏付けが不十分な場合や、期間・金額に食い違いがある場合などに追加資料を求められることがあります。
事前に資料を精査しておくことで、こうしたやり取りを減らすことができます。


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