
建設業許可を取得している会社が、営業所の移転や新設・廃止などによって、現在の許可行政庁とは異なる行政庁の管轄となる場合があります。
例えば、
といったケースです。
このような場合に問題となるのが「許可換え新規」という手続きです。
許可換え新規は、単純に現在の建設業許可を「移す」だけの手続きではありません。許可換え先の行政庁に対して新たに許可申請を行い、許可を受ける必要があります。
このページでは、建設業許可における許可申請の区分から、許可換え新規の種類、申請先、手数料、必要書類、事前に行っておくべき手続きまで、分かりやすく解説します。
建設業許可の申請には、単純な「新規申請」だけではなく、更新、業種追加、許可換え新規など、いくつかの申請区分があります。
東京都の建設業許可の手引きでは、申請区分について、次のように整理されています。
| 申請 | 区分内容 |
|---|---|
| 1.新規 | 現在、建設業許可を受けていない者が新たに許可を取得する場合 |
| 2.許可換え新規 | 現在の許可行政庁とは異なる行政庁から許可を受ける場合 |
| 3.般・特新規 | 一般建設業または特定建設業の一方のみの許可を受けている者が、一般・特定の区分を変更する場合 |
| 4.業種追加 | 現在受けている許可業種に、新たな業種を追加する場合 |
| 5.更新 | 現在受けている建設業許可を更新する場合 |
| 6.般・特新規+業種追加 | 一般・特定の区分変更と業種追加を同時に行う場合 |
| 7.般・特新規+更新 | 一般・特定の区分変更と更新を同時に行う場合 |
| 8.業種追加+更新 | 業種追加と更新を同時に行う場合 |
| 9.般・特新規+業種追加+更新 | 一般・特定の区分変更、業種追加、更新を同時に行う場合 |
※申請区分の名称・番号については、実際に申請する行政庁の最新の手引き等をご確認ください。
許可換え新規とは、現在受けている建設業許可の許可行政庁が変わる場合に行う新規の許可申請です。
建設業許可は、営業所の所在地や営業所の設置状況によって、国土交通大臣許可または都道府県知事許可のいずれを受ける必要があるかが決まります。
そのため、主たる営業所の移転などによって許可行政庁が変わる場合には、「許可換え新規」の手続きが必要となることがあります。
代表的には、次の3つのパターンがあります。
| 許可換えのパターン | 例 |
|---|---|
| 国土交通大臣許可 → 都道府県知事許可 | 複数の都道府県に営業所を設置していた会社が、1つの都道府県内だけに営業所を置くことになった場合 |
| 都道府県知事許可 → 国土交通大臣許可 | 1つの都道府県内だけに営業所を置いていた会社が、複数の都道府県に営業所を設置することになった場合 |
| 都道府県知事許可 → 他の都道府県知事許可 | A県知事許可の会社が、主たる営業所をB県へ移転する場合など |
例えば、埼玉県内に主たる営業所を置いて埼玉県知事許可を受けている会社が、埼玉県内の営業所を廃止して、東京都に主たる営業所を移転する場合、原則として東京都知事許可への許可換え新規を検討することになります。
許可換え新規では、許可換え先の行政庁に対して新たな許可申請を行います。
許可換え先で許可を受けることにより、従前の許可行政庁から受けていた許可については、許可換えに伴って従前の許可の効力が失われることになります。
したがって、単純に「現在の許可を別の都道府県へ移管する」というイメージではなく、許可換え先で許可要件を満たしていることを確認した上で、新たな許可を受ける手続きと考えると分かりやすいでしょう。
許可換え新規は「新規許可申請」に該当するため、更新申請とは異なる手数料が必要となります。
例えば、知事許可への許可換え、大臣許可への許可換えなど、申請する許可の種類によって手数料が異なります。
また、一般建設業と特定建設業の両方を申請する場合などには、手数料の計算方法が変わることがあります。
具体的な手数料については、申請先となる行政庁の最新の手引きで確認する必要があります。
許可換え新規では、単に新しい営業所の所在地を決めて申請書を提出すればよいというわけではありません。
許可換え元の行政庁に対して、事前に必要な変更届等を提出しておく必要があるケースがあります。
例えば、主たる営業所を移転する場合には、営業所の所在地変更に関する変更届等が必要となる場合があります。
また、従前の営業所を廃止する場合には、営業所の廃止に関する届出などが必要になることがあります。
営業所の移転等に伴い、
などの状況が変わる場合があります。
許可換え新規の申請前に、これらの要件を改めて確認しておくことが重要です。
許可換えの場合、許可換え元と許可換え先の双方に関係するため、事前に行政庁へ相談しておくことをおすすめします。
特に、
などについて、事前に確認しておくとスムーズです。
許可換え新規では、基本的に新規の建設業許可申請と同様に、許可要件を確認するための書類を準備する必要があります。
具体的な必要書類は、申請する行政庁や会社の状況によって異なります。
代表的には、次のような書類があります。
常勤役員等や営業所技術者等については、単に申請書に氏名を記載するだけではなく、要件を満たしていることを証明する資料が必要となります。
例えば、
などが必要となる場合があります。
営業所の所在地や使用権原を確認するため、
などが必要となる場合があります。
許可換え新規は会社ごとに必要書類が大きく異なるため、実際の申請では個別に確認することが重要です。
営業所の所在地が変わる場合、建設業許可の行政庁そのものが変わる可能性があります。
その場合は単なる変更届ではなく、許可換え新規が必要となることがあります。
許可換えを行う場合には、従前の許可と新しい許可の関係について、十分に確認しておく必要があります。
特に、営業所の移転日や廃止日、新しい営業所の開設日などのスケジュールについては、事前に行政庁へ確認しておくことをおすすめします。
許可換えと同時期に、
などが発生する場合があります。
これらを整理せずに申請を進めると、書類の追加や補正が発生する可能性があります。
そのため、許可換えを検討した段階で、会社の許可内容を一度整理しておくことが重要です。
許可換え新規は、現在の建設業許可をそのまま移す手続きですか?
厳密には異なります。
許可換え先の行政庁に対して新たに建設業許可申請を行い、許可を受ける手続きです。
そのため、許可換え先の行政庁においても、建設業許可の要件を満たしていることを確認する必要があります。
許可換え新規では、これまでの建設業許可の実績は引き継がれますか?
許可換え後の許可については、新しい行政庁から許可を受けることになります。
ただし、過去の許可内容や工事実績等については、申請内容や行政庁の取扱いによって確認が必要となります。
許可換え新規と同時に業種追加はできますか?
一定の場合には、許可換えと業種追加を組み合わせた申請が問題となることがあります。
ただし、申請区分や手数料、必要書類についてはケースによって異なるため、事前に申請先の行政庁へ確認することをおすすめします。
許可換え新規では、単に申請書を作成するだけでなく、現在の許可内容と移転後の営業所の状況を確認し、どの申請区分になるのかを判断する必要があります。
当事務所にご依頼いただいた場合には、
などをまとめてサポートすることができます。
「営業所を移転する予定だが、建設業許可をどうすればよいか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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