建設業許可を受けている事業者が、許可を受けている建設業を廃止した場合には、原則として「廃業等届出書」を提出する必要があります。

建設業許可|建設業の廃業届とは?一部廃業・全部廃業の手続きと必要書類

建設業許可を受けている事業者が、許可を受けている建設業を廃止した場合には、原則として「廃業等届出書」を提出する必要があります。
例えば、

  • 許可を受けている工事業種の一部をやめた
  • 建設業そのものをやめた
  • 建設業許可の要件を満たさなくなった
  • 法人の合併などによって法人が消滅した

といった場合には、建設業許可の廃業に関する手続きが必要となることがあります。
廃業届を提出すると、廃業した業種については、許可の有効期間が残っていても許可取消しの対象となります。
ここでは、建設業許可における「一部廃業」と「全部廃業」の違いや、必要となる書類について解説します。


建設業の廃業届とは?

建設業の廃業届とは、建設業許可を受けている事業者が、許可を受けている建設業を廃止した場合などに、許可行政庁へ提出する届出です。
廃業届の正式な様式は「廃業等届出書(様式第22号の4)」です。
廃業届を提出すると、廃業した建設業については、許可行政庁による許可取消しの手続きが行われます。
国土交通省も、廃業届の提出により、許可行政庁は許可の満了日を待たずに建設業許可を取り消すことができると案内しています。


一部廃業届とは?
一部の建設業だけを廃止する場合

一部廃業とは、複数の建設業許可を受けている事業者が、そのうち一部の業種についてのみ建設業を廃止する場合をいいます。
例えば、
「土木工事業、建築工事業、電気工事業の許可を持っているが、電気工事業をやめる」
という場合には、電気工事業について一部廃業の手続きを行います。
この場合、廃業した電気工事業の許可は取り消されますが、土木工事業と建築工事業については、引き続き許可を有することになります。


一部廃業でも、残りの許可はそのまま

一部廃業の特徴は、廃止する業種だけを許可から外し、その他の許可業種を残せることです。
例えば、

  • 土木工事業 → 継続
  • 建築工事業 → 継続
  • 電気工事業 → 廃業

という形で、必要な許可だけを残すことができます。


全部廃業届とは?
すべての建設業許可を廃止する場合

全部廃業とは、現在受けている建設業許可のすべてを廃止する場合です。
例えば、

  • 建設業そのものを廃止する
  • 建設業から撤退する
  • 今後、許可が必要となる規模の工事を請け負わない

といった場合に、全部廃業の手続きを行うことがあります。
全部廃業をすると、現在受けている建設業許可はすべて失われます。

許可を失っても建設業を一切できないとは限らない

建設業許可を廃止した後であっても、「軽微な建設工事」に該当する工事については、建設業許可がなくても請け負うことができます。
ただし、許可が必要となる規模の工事を請け負う場合には、改めて建設業許可を取得する必要があります。


一部廃業と全部廃業の違い


項目 一部廃業 全部廃業
廃止する範囲 一部の許可業種 すべての許可業種
残りの許可 残る すべてなくなる
電気工事業だけ廃止 建設業を完全撤退
廃業後の許可業種 残った業種について継続 なし

「建設業をやめる」といっても、すべての業種を廃止するのか、特定の業種だけを廃止するのかによって手続きが異なります。


建設業の廃業届に必要となる書類

廃業届では、基本となる「廃業等届出書」のほか、廃業の原因や状況に応じて確認資料等の提出を求められることがあります。

基本となる届出書
  • 廃業等届出書(様式第22号の4)

廃業等届出書には、廃業する建設業の種類、廃業年月日、廃業の理由などを記載します。

廃業の事実を確認するための資料

廃業の原因によっては、廃業した事実を確認できる資料を添付する必要があります。
例えば、

  • 法人の解散に関する登記事項証明書
  • 合併に関する登記事項証明書
  • 個人事業主の死亡を確認できる書類
  • 許可要件を満たさなくなったことを確認できる資料
  • その他、廃業理由に応じた確認資料

などが考えられます。
ただし、必要となる確認資料は廃業の原因や許可行政庁によって異なる場合があります。
そのため、実際に廃業届を提出する際には、事前に許可行政庁の最新の手引き等を確認することが重要です。


廃業届を提出すると建設業許可はどうなる?

廃業届を提出した業種については、許可行政庁による許可取消しの対象となります。
重要なのは、廃業した業種だけが取り消される場合と、すべての許可がなくなる場合があるということです。
一部廃業であれば、廃止した業種以外の許可は引き続き有効です。
一方、全部廃業の場合には、現在受けている許可がすべてなくなります。


廃業届を提出する前に確認したいこと
現在受注している工事がないか確認する

廃業届を提出する前に、現在施工中の工事や、これから施工する予定の工事がないかを確認する必要があります。
特に、許可が必要となる規模の工事については、廃業後の許可の有無との関係を慎重に確認する必要があります。

残すべき許可業種がないか確認する

複数の業種について許可を受けている場合には、全部廃業ではなく一部廃業で対応できる可能性があります。
例えば、今後も建築工事を続ける予定があるにもかかわらず、建設業全体を廃業する届出をしてしまうと、建築工事業の許可まで失うことになります。
そのため、廃止する業種を慎重に確認することが重要です。

経営事項審査を受けている場合は注意する

公共工事を請け負っている建設業者の場合、廃業によって経営事項審査や入札参加資格に影響する可能性があります。
特に、廃業する業種で公共工事を受注している場合には、発注者との契約関係についても確認しておく必要があります。


廃業届を提出する期限

廃業届は、廃業等の事実が発生した後、所定の期限内に提出する必要があります。
具体的な提出期限は廃業の原因によって異なるため、「建設業をやめたから、いつでも提出すればよい」というものではありません。
廃業の事実が発生した場合には、できるだけ早く許可行政庁に確認し、必要な手続きを進めることをおすすめします。


廃業届を提出する行政庁は?

廃業届の提出先は、現在受けている建設業許可の許可行政庁です。
都道府県知事許可の場合は、原則として許可を受けている都道府県の担当窓口へ提出します。
国土交通大臣許可の場合は、許可を受けている地方整備局等が提出先となります。
なお、廃業の原因や同時に行う変更手続きなどによって提出先や必要書類が異なる場合がありますので、事前に確認することが重要です。


よくある質問 (FAQ)

一つの業種だけ廃業することはできますか?

はい、可能です。
複数の建設業許可を受けている場合、そのうち一部の業種だけを廃業することができます。
この場合、廃業した業種の許可はなくなりますが、その他の許可業種は引き続き有効です。

全部廃業した後、もう一度建設業許可を取得できますか?

はい、要件を満たせば改めて建設業許可を取得することができます。
ただし、再度許可を取得する場合には、新規許可申請として改めて許可要件を満たす必要があります。

許可を廃業したら、すぐに建設工事ができなくなりますか?

必ずしもそうではありません。
建設業許可がなくても、軽微な建設工事であれば請け負うことができます。
ただし、許可が必要となる規模の工事を請け負うことはできません。

廃業届を提出すれば、建設業許可の更新は不要ですか?

廃業した業種については、廃業届の提出により許可取消しの対象となります。
一部廃業の場合、残った許可業種については引き続き許可が有効ですので、必要に応じて更新手続きを行う必要があります。


建設業許可の廃業届もご相談ください

建設業許可の廃業届は、一見すると簡単な届出に見えますが、

  • 全部廃業なのか、一部廃業なのか
  • 残しておくべき許可業種はないか
  • 現在受注している工事に影響しないか
  • 経営事項審査や入札参加資格に影響しないか

など、事前に確認しておきたい事項があります。
当事務所では、廃業する業種の確認から必要書類の準備、廃業等届出書の作成・提出まで、建設業者の状況に応じてサポートしています。
建設業許可の一部廃業・全部廃業をご検討の方は、お気軽にご相談ください。


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