建設業許可|一般建設業と特定建設業の違いについて

建設業許可の「一般建設業」と「特定建設業」の違いについて解説します。下請代金額の違い、財産的基礎、営業所技術者等の要件などを分かりやすくご説明します。

建設業許可|一般建設業と特定建設業の違いについて

建設業許可には、

  • 一般建設業許可
  • 特定建設業許可

の2種類があります。

  • 特定建設業の方が大きな会社しか取得できないの?
  • 元請になると特定建設業が必要なの?
  • 一般建設業から特定建設業へ変更するにはどうすればいいの?

このようなご相談をいただくことがあります。
一般建設業と特定建設業は、会社の規模で区別されるものではなく、下請業者へ発注する工事代金の額などによって必要となる許可が決まります。
このページでは、それぞれの違いや取得要件についてご説明します。


一般建設業とは?

一般建設業とは、多くの建設会社が取得している建設業許可です。
元請・下請を問わず営業できますが、元請として工事を受注した場合に、下請業者へ発注できる金額に上限があります。
一般建設業許可は、中小規模の建設会社を含め、多くの事業者が取得しています。


特定建設業とは?

特定建設業とは、元請として大規模な工事を請け負い、多額の下請契約を締結する場合に必要となる許可です。
下請業者を保護し、適正な施工体制を確保するため、一般建設業よりも厳しい許可基準が設けられています。
なお、特定建設業が必要となるのは、元請として工事を受注する場合です。


一般建設業と特定建設業の違い

最大の違いは、元請として下請業者へ発注できる金額です。


項目 一般建設業 特定建設業
元請として一定額以上を下請へ発注 不可 可能
財産的基礎 一般基準 より厳しい基準
営業所技術者等 一般基準 より高度な要件
許可基準 一般 より厳格

法令で定める下請代金額以上となる場合には、特定建設業許可が必要です。


一般建設業の財産的基礎

一般建設業では、次のいずれかを満たす必要があります。

  1. 自己資本の額が500万円以上あること
  2. 500 万円以上の資金調達能力があること
  3. 直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があること

これらは、比較的取得しやすい財産的基礎といえます。


特定建設業の財産的基礎

特定建設業では、一般建設業よりも厳しい財産的基礎が求められます。
具体的には、

  1. 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
  2. 流動比率が75%以上であること
  3. 資本金の額が2,000万円以上あること
  4. 自己資本の額が4,000万円以上あること

について、建設業法で定められた基準を満たす必要があります。
申請時直前の確定した貸借対照表(定時株主総会の承認を得たもの)において、上記のすべての事項に該当していることが必要です。
新設会社で決算期未到来の場合でも作成します。
十分な経営基盤を有することが前提となっています。


一般建設業で求められる営業所技術者等

一般建設業では、

  • 指定された国家資格
  • 一定期間の実務経験

などにより営業所技術者等となることができます。
比較的幅広い資格や実務経験が認められています。


特定建設業で求められる営業所技術者等

特定建設業では、営業所技術者等についても、より高度な要件が求められます。
一般建設業で認められる資格だけでは足りず、一級施工管理技士、技術士など、業種ごとに定められた資格が必要となる場合があります。
また、指定建設業については、さらに厳しい資格要件が設けられています。


一般建設業と特定建設業の比較
項目 一般建設業 特定建設業
対象 多くの建設会社 大規模元請会社
下請契約 一定額未満 一定額以上も可能
財産的基礎 ◎(より厳格)
技術者要件 ◎(より高度)
許可取得の難易度 比較的低い 高い


どちらを取得すればよい?

一般建設業と特定建設業のどちらを取得すべきかは、今後の事業内容によって異なります。

一般建設業が向いている会社
  • 自社施工が中心
  • 下請工事が多い
  • 小規模な元請工事が中心
特定建設業が向いている会社
  • 大規模工事の元請を受注する
  • 多数の下請業者へ工事を発注する
  • 公共工事への参入を予定している


一般建設業・特定建設業で配置する技術者の違い

一般建設業と特定建設業では、工事現場に配置する技術者にも違いがあります。
一般建設業では主任技術者を配置します。
一方、特定建設業では、元請として一定規模以上の下請契約を締結する工事において、監理技術者を配置する必要があります。
監理技術者には、主任技術者よりも高度な資格や講習修了などが求められます。

主任技術者とは

主任技術者は、建設工事の施工を適正に管理する技術者です。
一般建設業では、原則として工事ごとに主任技術者を配置します。
主任技術者は、

  • 工事品質の確保
  • 工程管理
  • 安全管理
  • 技術上の管理

などを担当します。

監理技術者とは

監理技術者は、特定建設業者が元請として大規模工事を施工する際に配置する技術者です。
主任技術者の職務に加え、

  • 多数の下請業者の施工状況の把握
  • 技術的指導・調整
  • 品質管理
  • 安全管理

など、工事全体を総合的に管理する役割を担います。
また、監理技術者となるためには、業種ごとに定められた資格を有し、監理技術者講習を修了していることなどが必要となります。


主任技術者と監理技術者の比較


項目 主任技術者 監理技術者
配置される許可 一般建設業 特定建設業(一定規模以上の工事)
主な役割 担当工事の施工管理 元請工事全体・下請を含めた施工管理
必要資格 国家資格または実務経験 国家資格等+監理技術者となるための要件
管理範囲 自社施工中心 下請業者を含めた工事全体


よくある質問

一般建設業でも元請工事はできますか?

はい、元請になることは可能です。
ただし、一定額以上を下請業者へ発注する場合には特定建設業が必要となります。

途中で一般建設業から特定建設業へ変更できますか?

はい、追加で要件を満たし、許可申請を行うことで特定建設業許可を取得できます。

特定建設業の方が有利ですか?

特定建設業は大規模工事に対応できる一方で、取得要件も厳しくなります。
会社の事業内容に応じて選択することが重要です。


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